マーケターの友人が「感動した」と書き込んでいたので、ちょっ
と気になって行ってきました。

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CAFE LEXCELという名前の新しいカフェチェーンです。

ここは、ドトール・コーヒーショップのサードライン・ブランド
ということになりますが、いわゆる立ち飲みや低価格が売りの
カフェチェーン業態ではなく、アメリカで流行りだしたサード・
ウェーブのスタイルを既存のカフェ業態に盛り込んだスタイル
と考えるのが素直な解釈かと思います。

この店の特徴は、3種類のコーヒー豆を、ペーパードリップ、
プレス、エスプレッソ、アメリカンの4種類の抽出法から選んで
オーダーできること。

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豆の種類が栽培地限定のマイナーであることが原因と思われますが、
香りの強い品種をミディアムからシティにローストしているため、
その特徴を活かす飲み方が正しいのだろうと思います。ちなみに
私はドリップをお願いしました。

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私が頼んだのは、パナマのエスメラルダ・ゲイシャというもので
すが、若干鼻をつく酸味とマイルドな甘さ、フルボディのコクが
サンドウィッチになって喉を通る飲みやすい味わいです。

こういった味を作るのは、ワインや日本酒、ビール、発泡酒などで
おなじみとなった、酵母やホップで特徴的な香り付けを行う製法と
それを喜ぶ市場の時代的要素に大きく影響を受けたものでしょう。

焙煎後数日以内に消費し切ることを念頭に豆の種類を選別し、商品
的特徴があるものだけを採用しているように思われます。

ハンドドリップそのものは、湯温と抽出速度を一定にコントロール
されたものであり、数時間の訓練を経ればアルバイトのスタッフ
でも保証可能の品質です。

コーヒー専門店、あるいはカフェチェーンのターゲットをコーヒー
愛好家に設定する場合、どうしても高品位な味わいと一定の品質を
保証する抽出技術が高い壁を作ってしまうのですが、ターゲットを
コーヒー愛好家の中のライト層に設定し、ターゲットに見合う抽出
技術を一定のトレーニングで確保できれば、実現が可能となるビジ
ネスモデルといえます。

このあたりは、バリスタと名乗るスタッフが機械抽出で作るカフェ
チェーンと一線を画し「人がハンドドリップする」という、いか
にも日本人請けしそうな特徴を、誰でも体感できる商品に仕組みと
して仕立て上げた、ドトールの企業努力の勝利といえましょう。

簡単なようでいて、その実なかなかマネして見える形をつくるのは
容易ではないビジネス・スタイルだと思います。

なかなか興味深い新業態として、これからも要注目です。

感謝!