さて、スコットランドのメインランドから一つ島を渡って、
アイラ島の手前にやってきます。その名はジュラ島。

ジュラ島は、アラン島と同じく島には一つしかウィスキー蒸溜
所がないため、蒸溜所の名前には島の名前がつけられています。
その名もジュラ蒸溜所。

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そのジュラですが、アイラ島と本当にすぐ近くで、アイラ島の
カリラ蒸溜所に行くと真正面に見える島ですが、ウィスキーの
個性はアイラと明確に異なり、アイラのウィスキーはクセの
強さが特徴であるところ、ジュラは同じクセがあるとしても
より穏やかなテイストが特徴です。

この特徴により、クセの強さが特徴として挙げられるアイランズ
モルトのなかでさらにアイラの隣りと解説されるためか、多くの
日本人の期待を裏切ってしまっているのでしょうか。どうも
正当な評価がなされていないように感じます。

しかしながら、ジュラのウィスキーは枯れて落ち着いた臭み
とも言うべきマイルドなテイストを持っており、これは他の
アイランズモルトにはない唯一無二の特徴ですから、例えば
マイルドなアイラモルトが飲みたいなどというときには、
アイラではなくジュラを選んでみると正解ということがよく
あります。

そういう意味で、ジュラは隠れた秘宝ではないでしょうか。この
カスクも安心して飲める、モルトの会の良心のようなウィスキー
でした。

テイストは、スモーキーでかつフルーティー。シュガーの甘さ
と塩っぽさがありアルコールドライ。塩飴を舐めながらオラン
ジーナを飲んでいるような午後の紅茶。

1989年4月蒸溜、2010年6月瓶詰、49.3%

感謝!