私自身は、あまりテレビを観る方ではないのですが、新型
インフルエンザ
のニュースように、場合によっては即時性が
求められるテーマの場合には、どうしてもテレビのニュー
スから情報収集をします。

一方で、この新型インフルエンザに関するニュースは、あ
る意味で象徴的な出来事だと考えているのですが、現在テ
レビ等で報道されている情報提供の仕方があまりにも有効
性が低い(つまり、あまり役に立たない)ので、困ってしま
います。

今回取り上げたいことは、テレビ局等を代表するマスコミ
の報道コンテンツの作り方です。

日本の多くのマスコミは、事件・事故・ニュースなどが起
こると、事実報道の後にひたすら原因を追求するコンテン
ツの作り方が多くみられますね。

ワイドショー番組などは、この手法を誇大に誇張して何か
衝撃的な出来事があるかのように番組が作られています。

でも、私たちの日常生活を振り返れば、放送されているほ
どの衝撃的な出来事が毎日続くわけでもなく、そろそろこ
のような番組構成に「飽き」が来はじめているように感じ
ます。

この視聴者(消費者)の「飽き」が潜在から顕在に現れるのと、
放送者(情報提供者)の「気づき」のタイミングは、よほどの
象徴的なイベントでもない限り通常は一致しないので、誰
の目にも明白な状況に至ってはじめて、「時代が変わった」
というのです。

さて、そのような社会の変化の一部を、もしあるテレビ局や
報道会社のうちの一社が先取りするのであれば、コンスタ
ントに視聴率等が取れる報道会社が作れるでしょう。

その処方箋とは、「原因追求に時間を割くのではなく、問題
の解決策の提示に時間を割くこと」です。

日本の報道は、原因追及のために様々な視点から取材を試み、
場合によってはプライバシーの問題を引き起こしたり、視
聴者が別に関心をもたないようなことまで取り上げたりし
ています。

そのようなことに労力を費やすのではなく、いまの現状を
踏まえたうえで、どんな問題解決の考え方や実際の手法が
あるのか、いくつかのパターンを提示する形式のコンテン
ツを提供したらいかがでしょう?

このようなコンテンツならば、情報の受け手側も自分とは
違う考え方や意見があることに気づきますし、支持できる
考え方やそうではない考え方など、思考を巡らすことがで
きます。

この手法で大切なのは、「いくつかの解決策を同時にパター
ンでみせること」です。

なぜならば、問題を解決する方法として唯一つの解決策だ
けを提示する手法だと、スーパーから、ところてんやチョ
コレート、ココア、バナナ、マスクが消えてなくなるよう
な副作用が生じるからです。

このような副作用は市場の揺れ幅を拡大するだけで、社会
的にはデメリットの方が大きくなってしまいますので、避
ける必要があります。

ですから、視聴者が思考を巡らせることができるようなコ
ンテンツの作り方を、あえて採用するのです。

本来ならば、このような取組みは教育の分野で行われるべ
きですが、残念ながら日本の教育は知識注入型に減点主義
による採点ですから、「試験対策攻略法型」の勉強ばかりが
持て囃される本末転倒な状態で、このような風潮に対する
是正は大学院と大学で昨年度から始まったばかりです。

折りしも、裁判員制度が始まりましたので、多面な視点か
らの価値評価が求められる時代に入りましたから、従来の
常識だけでなく、本当に最適な問題解決を計る能力が個人
に求められる時代に入っています。

したがって、問題解決の考え方や手法を提案する形でのコ
ンテンツを受け入れる潜在的な市場は出来上がっているの
です。

現在でも、NHKテレビ東京などの一部の放送局でこの
ようなコンテンツ作りが盛り込まれていますが、まだまだ
放送時間枠のごく一部なのが惜しいです。

TBSあたりが積極的に取組めば、他放送局と差別化でき
て、他社から買収されるような株価の水準になってしまっ
ている問題に有効に対処できると考えます。

関係者の方々、どうぞご検討くださいませ。

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