東京からの秋田行は、今や航空機と新幹線がメジャーとなりまして、
在来線で直行するのは、絶滅危惧種の寝台特急あけぼのが唯一の
列車となりました。

寝台特急あけぼの01.jpg

ただし絶滅危惧種というのは、鉄道全体に占める夜行列車のことを
差しており、この一見地味な特別な列車としての個性が乏しい、
寝台特急あけぼの、古い言い方をすればブルートレインのあけぼの
こそが運営鉄道会社に最も貢献している列車なのだそうです。

その理由は、前述の希少な手段だという高い乗車率ことに加えて、
全国7社に分割されたJR社で、東日本社内のみを走行するので、
運賃が100%運営会社の売上として貢献するからなのだそう
です。

なるほど、だとすれば、近い将来登場すると言われている九州
内での豪華寝台列車というのは、JR九州の経営に非常に貢献
するでしょうし、だからこそ今回新たに建造する投資にOKが
出たのでしょう。

さて、今回の夜行のお供はA寝台のシングルDXは経験済みの
ために、B個室のソロとなりました。いやなにソロなら何度も
経験済みですけれども、レール方向に設置されるベッドの寝心
地テストのための選択です。

寝台特急あけぼの02.jpg

乗車する号車番号を確認して部屋を目指すと、2階室は両サイ
ドの部屋で階段を共用する作り。開放型B寝台が両サイドの
ベッドで階段を共用するのと似ています。

開放型と異なるのは、階段を登った後でベッドというか個室
全体が枕木方向ではなく、前後方向に設置されていることで、
この階段部分が一部個室内に含まれていることと、入口が
折戸のためベッドに干渉していて室内は非常に狭く、ベッドを
設営するには、折りたたまれている枠材を引き出して、その
上にマットレスを敷く作りになっていました。

寝台特急あけぼの03.jpg

しかし、一旦休んでみると、同じ料金のソロであっても、
枕木方向にベッドが設置されているものよりも、身体基準で
ロールが少なく(つまり、車両の横揺れに対して直角に寝て
いるため、寝ている人間は相対的に揺れを小さく感じる)、
機関車牽引列車特有の発車時の衝撃等も気にならずに、
ゆっくり休むことができました。

あけぼの号は、運行距離が他の列車に対して相対的に短い
ため、朝早くから秋田等の大都市に停車し始めますが、
ぐっすり休むことができれば、早朝からの活動開始は
むしろ新鮮とすら感じることができるでしょう。

寝台特急あけぼの04.jpg

寝台特急の本来の魅力をもつ列車として、末永く活躍して
もらいたいと思いますし、それに気づく人が多いからこそ、
高い乗車率を誇っているとも言えるのではないでしょうか。

そろそろ新型車両への更新をお願いしたい頃合いですね。

感謝!